DX推進に必要な4つのステップ
DX(Digital Transformation:デジタル・トランスフォメーション)とは、ITやAIなどのデジタル技術の活用を通して業務効率を実現し、生産性の向上により競争力を高める活動のことです。ビジネスにおけるDXに関しては、経済産業省が以下のように定義しています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
引用:経済産業省『「DX 推進指標」とそのガイダンス』
コロナ禍を経て、人々の生活様式やビジネス環境が大きく変わったいま、業務にかかる時間の短縮、人件費の削減、生産性の向上などを実現するために、企業におけるDX推進の必要性が高まっています。
本記事ではDXの現状をはじめ、DX推進に必要なステップ、DX推進に貢献するツールについて解説します。
目次[非表示]
- 1.企業におけるDXの現状
- 2.DX推進のステップ
- 3.DX推進に貢献するツール
- 4.まとめ
企業におけるDXの現状
国内全体で見ると、DXは本格的に進んでいないというのが日本の現状です。
経済産業省の『DXレポート2中間取りまとめ(概要)』によると、DXに関して「まったく取り組めていない」もしくは「散発的な実施にとどまっている」と回答する企業が90%以上(2020年10月時点)。
さらに、同調査によれば、経営に関するデータの活用状況に、「部分的なデータ利活にとどまっている」と回答した企業が約70%との結果が出ています。このような調査結果からも、多くの企業がDX推進によるビジネス変革にまだまだ消極的であることが分かります。
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出典:経済産業省『DXレポート2中間取りまとめ(概要)DXレポート2』
DX推進のステップ
実際にDXによるビジネスモデル変革を実行する場合、どのように取り組めばよいのでしょうか。ここからは、DX推進に必要な4つのステップを紹介します。
①デジタル化
はじめにDX推進の第一歩となるのが業務のデジタル化です。具体的には、以下の2つの取り組みが挙げられます。
1)アナログ作業のデジタル化
書類や電話・FAXによる業務をITツールに置き換えてデジタル化を行います。デジタル化により、印刷代やFAXの送受信にかかるコストダウンが可能。そのほか、業務に関わるさまざまなデータの蓄積・共有が可能になることで、データの検索や従業員同士の連携がスムーズになります。
2)業務プロセスの自動化
紙ベースのアナログ作業をデジタル化したのち、業務プロセスの自動化を図ります。ITツールやIoT、AIなどを活用することで、人手で行ってきた業務の自動化・省人化が可能になるだけでなく、人的ミスを削減できます。
②効率化
DXを推進するには、業務のデジタル化によって得られたさまざまなデータを用いて、業務効率を図る必要があります。
効率化を実現するには、日々の業務から得られたデータ(工数・生産性・ミスの頻度など)を確認し、非効率な業務を洗い出します。その後、無駄なフローや慣例化した業務を見直して効率化を図ります。
業務効率を向上することができれば、コスト削減や生産性向上にもつながります。
③共通化
DXが進まない要因の一つに、各システムに格納されるデータのブラックボックス化が挙げられます。
①や②のステップで業務のデジタル化・効率化を実現できたとしても、データ活用やPDCAサイクルを回すための基盤ができていなければ、社内全体における業務効率やビジネスモデルの変革につなげることが難しくなります。
社内全体でDXを進めるには、各部署で蓄積・管理しているデータを横断的に活用できるような基盤を構築し、部署間のデータ活用によって業務効率を図ることが重要です。
システムの刷新を図り、部署間の垣根をなくすことで、ブラックボックス化の解消や組織内のデータ活用をさらに促進できます。
④最適化
最後のステップは業界全体の最適化です。DXによるビジネスモデルの変革を目指すには、自社だけでなく取引先や関係会社と一体になった取り組みが必要になることもあります。
例えば、製造業の場合、仕入れ先や出荷先と受発注データを連携できる仕組みを構築することで、取引のプロセスを変革できます。このように、企業間・業界全体のDX推進を目指すことが、自社の競争力強化や新たな価値創造につながります。
DX推進に貢献するツール
DXを実現するためには、業務のデジタル化・効率化・共有化・最適化といった4つのステップを踏み、徐々に実行範囲を広げていくことが重要です。しかし、DXの推進には、コストや時間を要するといった課題も浮上します。
コストを抑えて短期間でのDX推進を実現するなら、導入コストを抑えられるクラウド型基幹システム(ERP)の導入がおすすめです。基幹システムの活用によって業務ごとに分かれていたシステムを一元化することで、社内全体で網羅的なデータ活用が可能になります。
DX推進には、部署間でのデータ活用がカギとなるため、基幹システムは有効な手段の一つといえるでしょう。
SCSK Minoriソリューションズでは、基幹システムの提案から保守運用に至るまでトータルサポートいたします。DXを本格的に進めようと検討している方は、ぜひご相談ください。
まとめ
DXはデジタル技術やデータの活用によって、生産性を向上させ競争力を高める取り組みです。
しかし、DXによるビジネス変革を実際に実現できている企業は決して多いとはいえません。また、業務のデジタル化・効率化・共通化・最適化という4つのステップで進める際、“各部署における効率化”で立ち止まってしまう企業も多いのが現状です。
社内横断的なデータ活用や企業間・業界全体のビジネスモデル変革を図るためには、各部署で蓄積・管理しているデータを一元管理できる基幹システムの導入が有効です。
DX推進に向けた基幹システムの導入をお考えの方は、ぜひSCSK Minoriソリューションズまでご相談ください。