個別システムの課題解決とは?成長企業に必要となる3つの効果
経営者は会社の成長過程で資金繰り、投資計画、採用など様々な悩みを抱えています。その中でも特に人手不足と業務の効率化については急務としてIT導入により解決対応を進めているかと思います。
企業の成長に合わせ、場当たり的に業務システムを導入した結果、システムが複数乱立している。エクセルを駆使しなければ、必要な情報が把握委出来ない。などをよく伺います。
本コラムでは、成長企業によくある課題の対処方法についてご紹介します。
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多くの企業では、人手不足を補い、業務の効率化を期待して、基幹システムを導入します。販売/在庫/生産/会計の各業務に関する情報の管理は、それぞれ部門に任されています。これは現場のオペレーションに最適化した仕組みを構築できるというメリットがあるためです。しかし、個別システムは部分最適で有効な反面、以下のような新たな課題を生み出していると聞きます。
・業務標準化を前提としない現行踏襲型のシステム導入をしてしまった。
・データの多重管理を引き起こしまった。
・データ活用の際に整形や集計などの手作業が発生、属人化してしまった。
・会社全体で見ると部門毎に情報分散してしまい、情報の把握困難が発生してしまった。
このような課題がありますが、成長する企業にとって必要とされているのは、「部門間を越え会社全体にわたる情報の一元管理ができる」仕組みです。この仕組みについて世界のERPソフトウェア市場シェア1位であるSAP®共同創業者ハッソ・プラットナーは「ワンファクト/ワンプレイス/リアルタイム」というシステム構想コンセプトを提唱しています。これは、”社内のデータを一つのデータベースに集約する(=ワンプレイス)ことにより、データにミスやブレがなくなり(=ワンファクト)、今現在における会社情報が即時にわかる(=リアルタイム)”というシステム基本概念です。
ワンファクト / ワンプレイス / リアルタイムの効果
様々な課題を解決するため、「幅広い業務をカバーするオールインワンパッケージにすることで社内のデータを統合し、経営指標についてリアルタイムな可視化を実現しよう」というのが、ワンファクト/ワンプレイス/リアルタイムというコンセプトです。
このコンセプトがどのように業務効率化や経営スピードアップの実現に関係するかについて、ここで3つの具体的な課題をあげ、どのような導入効果があるかご紹介します。
導入効果①:経営指標のリアルタイム可視化で経営スピードアップ
これまでの課題
販売/在庫/生産/会計部門でそれぞれ異なる業務システムを利用している場合、個別システムが乱立する事で情報が分散してしまいます。決算情報を見るにも、複数システムからデータ抽出し、加工・集計するという作業が必要になります。これらの作業は、企業の状況にもよりますが数日から1週間程度、時間を要することもあるため、リアルタイムに経営状況を把握することが困難です。また、人手を介した作業は人手不足と言われている中、業務の効率が悪く、人為的なミスが正確な状況把握の妨げともなります。
導入効果
幅広い業務をカバーするオールインワンERPなら、これ一つで社内の業務システムを一本化できます。これにより、これまで複数のシステムでバラバラに持っていた情報を、一つのデータベースに集約化が可能です。情報が統合されることで、データをかき集める必要がなくなります。
導入効果②:ムダな作業をなくして業務効率化
これまでの課題
弊社が2022年に実施したアンケート調査によると、基幹システムが抱える課題として、「システム間連携」と答える企業は最多でした。業務に特化したシステムは、特定業務のやりやすさが追求されている一方で、異なる業務間の橋渡しがボトルネックになることはあります。例えば、経費をまとめる際に経費精算ソフトから抽出したデータをエクセルで集計して会計システムに入力しているという企業も少なくないでしょう。こうした冗長的な作業は会社全体の生産性を下げるだけでなく、手作業によるミスを誘発してしまいます。
導入効果
オールインワンERPで社内の業務システムを一本化すれば、業務間における橋渡し作業は不要になります。基幹システムを利用している企業の多くがシステム間連携に課題を抱えていることを踏まえると、この問題から解放されるメリットは非常に大きいでしょう。また、仮に業務間の橋渡しがシステム化されていて手作業がほとんどなかったとしても、オールインワンERPの導入が推奨されます。基本的に基幹システムは完成後も法令改正などに対応するため、システムを常にアップデートし続けていく必要があります。しかも、当然開発コストがかかります。しかし、オールインワンERPならシステムメンテナンスの苦慮が少なくなり、多くの企業にとって大きな業務効率化となります。
導入効果③:データの整合性が確保され、精度向上へ
これまでの課題
複数ある業務システムを利用していると、「実際にある在庫数とシステム上の数が合致しない」 「営業部の目標達成度と売上金額が合わない」といった問題が起きることはあります。これはシステム間でマスターデータの不一致や、それぞれのシステムでバラバラに情報を管理しているなど、複数のシステムを利用していることに起因する様々な理由が考えられます。
導入効果
オールインワンERPは幅広い業務のデータが一つのデータベースに統合されていることから、部門間にわたる垣根を越えて会社全体にわたる情報一元管理が可能です。これにより正確な在庫状況や売上予測をリアルタイムに知るが可能となります。また、データの正確性だけでなくトレーサビリティも向上するため、IPOを目指す企業様にとって内部統制強化にも繋がります。
コンセプトを支えるSAP® Business ByDesign®の特長
オールインワンパッケージのクラウドERP
SAP® Business ByDesign®(以下ByDesign)はワンファクト/ワンプレイス/リアルタイムというコンセプトに基づいており、幅広い業務をカバーするオールインワンERPです。販売/在庫/生産/会計業務はもちろん、マーケティング機能やプロジェクト管理機能もカバーしています。また、500種類以上のBIレポートも標準搭載しており、これひとつでお客様の基幹業務全てをカバーできます。しかも、SaaS形式で提供されるクラウドサービスのため、サーバーやシステムの管理はSAP®にお任せ。四半期毎に最新のモジュールが無償提供され、面倒なメンテナンスに煩わされることなく、常に最新機能をお使い頂けます。最新テクノロジーとビジネス環境変化への対応力に優れた、中堅成長企業向けERPソリューションです。
高速なデータベース
一般論として、日々の取引データが蓄積されてデータベースの使用量が増えてくるに従い、システムのパフォーマンスは徐々に遅くなります。このようなケースの対処方法として、会計処理に必要な直近の取引データを管理する”業務系”と、経年変化などを傾向について見るため”分析計”でデータを分けて管理する方法があります。しかし、SAP®は「データを一つに集約して集中管理することが迅速な経営判断に不可欠」との観点から、データを一元管理しても高いパフォーマンス維持できる高速なデータベース(SAP® HANA)を開発しました。データを従来型のHDDやSSDではなく、高速なインメモリ上に保持して処理するという最新技術を基盤としています。これにより日々のトランザクション量が膨大なビジネスであっても、高いパフォーマンスを維持しながら、データの一元管理が実現可能です。
業務プロセスの標準化
社内で複数の業務システムを利用していると、データ多重管理に繋がり、業務効率が低下します。また、データ連携する場合も専用のシステムを必要としたり、あるいは手動でのデータ整形を必要とすることが多いでしょう。ByDesignで基幹システムを一本化することにより、複数の業務システムを併用することに起因する非効率な業務をなくす事が実現できます。
またByDesignには、SAP®がこれまで多くのお客様から学んできたベストプラクティスがビジネスシナリオとして標準搭載されており、これを活用頂くことで、お客様の業務プロセスはグローバルな水準で標準化されます。
まとめ
基幹システムはその名の通り、企業経営の基幹となる業務を管理するシステムです。業種によって基幹となる業務はさまざまですが、企業経営において、経営状況の把握や、投資判断を支えるうえでもデータの一元管理が最も重要といっても過言ではありません。成長企業こそ「ワンファクト、ワンプレイス、リアルタイム」の考えに基づき統合型ERP基幹システムを検討するべきです。
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