部分最適・全体最適とは? メリットデメリット・ポイントを解説
事業継続のためには人材確保や生産性向上などがテーマとして挙げられますが、それらを根底から解消するためには業務効率の向上が欠かせません。業務プロセスにおける課題を把握して改善を繰り返す、いわゆる“最適化”が重要です。
最適化自体はすでに浸透していますが、深掘りすると大きく2種類あり、以下のように分けられます。
- 部署や要素それぞれが最適な状態である“部分最適”
- 組織・システム全体として最適な状態である“全体最適”
本記事では、部分最適と全体最適について、それぞれメリットとデメリット、実行するポイントを紹介します。
目次[非表示]
- 1.部分最適とは
- 1.1.部分最適のメリット・デメリット
- 1.2.部分最適を実行するポイント
- 2.全体最適とは
- 2.1.全体最適のメリット・デメリット
- 2.2.全体最適を実行するポイント
- 3.まとめ
部分最適とは
部分最適とは『組織の一部や個人にとって最適な状態を優先する』という考え方です。例えば、生産と販売という部署があり、生産部が独自に生産効率向上を目指すといったケースが挙げられます。
▼部分最適の例
- 生産 → 生産効率向上のため、ロット数増加
- 販売 → 現状維持
部分最適のメリット・デメリット
部分最適のメリットは小規模で実行するため、迅速に行動に移せるという点が挙げられます。ある一定箇所のみで課題がある場合に有効だと考えられるでしょう。
デメリットは他部署と関わる領域の場合、どちらか一方を最適化するだけでは根本的な問題解決に至らないという点です。先ほどの例の場合、生産効率を向上できた一方で、ほかの部署では次のような課題を抱える可能性もあります。
▼例
- 生産 → 生産効率向上のため、ロット数増加
- 販売 → 販売する人員がいない、過剰在庫を抱える
いずれかを点で見た場合と組織全体を線で見た場合とでは、改善するべきポイントや方向性が異なる可能性もあります。そのため、部分最適をした結果、組織全体で見ると却って効率が下がってしまったということも起こりえます。
部分最適を実行するポイント
部分最適を実行するポイントとしては、全体で見たときの最適化につながるかどうかという点を考慮することです。
しかし、現場の従業員が全体を意識して行動することは困難です。経営陣による全体最適を立案したのちに、部分最適に落とし込むといった流れが理想であると考えられるでしょう。
全体最適とは
全体最適とは、『企業や事業などの組織全体を最適な状態にすること』を指します。経営陣が企業の利益を最大化させるためにこの概念が使われます。
組織、部署、個人と統一した目標を定めることで、一気通貫した取組みができます。
▼取組み例
- 生産 → 販売部門と連携して必要な生産数の見込みを立てる
- 販売 → 生産部門と連携して、リアルタイム性のある納期を設定する
全体最適のメリット・デメリット
全体最適には、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の活用効率が向上するというメリットが挙げられます。
組織全体を俯瞰して最適化を図るため、投資するべき場所に有効的に投資ができる、人材を適材適所に配置できる、など多くの改善効果が期待できます。これにより、業務効率の向上や生産性の向上、ひいては利益の向上にもつながると考えられます。
一方、デメリットは、その規模の大きさから実行スピードが遅いという点が挙げられます。場合によってはコストが高額になることも考えられるため、全体最適を行う場合は中長期的な視点で考えることが大切です。
全体最適を実行するポイント
全体最適を図るには、前提として従業員全員の意識改革が欠かせません。経営陣に限らず、関係者全員に全体最適の重要性を浸透させることが大切です。
次に必要なのは、IT技術(システム)の活用です。組織全体の現状を把握して改善点を洗い出すためには、全体を通して業務プロセスや各種データを統合、一元化する必要があり、これらをアナログで作業するのは容易ではありません。システムを活用しましょう。
また、システムを選ぶ際は、一元管理が可能かどうかという視点もポイントになります。導入した結果、データ同士の統合ができないという場合はデータ加工や分析に甚大な工数を要する可能性もあります。不要なコストをかけてしまうことにつながるため、注意が必要です。
▼全体最適に適したERP『SAP® Business ByDesign®』
SCSK Minoriソリューションズでは、中堅・中小企業向けのERPソリューションをご提供しております。『SAP® Business ByDesign®』は、SaaS型クラウドERPシステムです。多数の業務システムやBIツールの機能が統合されているため、全体最適をするための基盤が整います。
まとめ
最適化には、個にとって最適な状態を優先させる部分最適と、組織全体の最適な状態を優先する全体最適に分けられます。どちらを実行するかはケースバイケースですが、いずれの場合も組織全体にとって最適であるかどうかを考えることが重要です。
「全体最適を行いたいが適したツールが分からない」という場合は、お気軽にSCSK Minoriソリューションズへご相談ください。