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決算早期化の目的と実現に向けた4つのポイント

企業で必ず行われる決算業務。これまで決算は年に一度行われることが一般的でしたが、最近は年単位の決算ではなく月次決算を行う企業も珍しくありません。

また、決算は早期化が望ましいとされていますが、それにはどのような理由があるのでしょうか。本記事では、決算早期化の目的や実現するための4つのポイントについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.決算早期化の目的
    1. 1.1.① 経営戦略策定の迅速化
    2. 1.2.②売り上げ・営業利益の早期予測
    3. 1.3.③効率的な資金調達
  2. 2.決算早期化を阻害する要因
  3. 3.決算早期化の4つのポイント
    1. 3.1.①締め日の前倒し
    2. 3.2.②書類の電子化
    3. 3.3.③業務プロセス・マニュアルの整備
    4. 3.4.④システムの導入
  4. 4.まとめ


決算早期化の目的

決算を早期化する目的には以下の3つがあります。


① 経営戦略策定の迅速化

市場変化や顧客ニーズは常に変化し続けています。そのため、変化のスピードに合わせ、タイムリーな経営判断や分析を行うことの重要度は増しています。

決算早期化を実現することで、各部署の営業成績や原価の発生といった自社の状況をいち早く把握でき、状況に応じた経営戦略の立案が可能となります。


②売り上げ・営業利益の早期予測

予算と実績の比較は経営者にとって重要な指標であり、企業にとって予実管理は必要不可欠です。

当初計画していた売り上げより利益の見込みが少ない場合は、早急に対策を講じることが求められます。決算を早期化することで問題の早期把握、早期対応が可能です。


③効率的な資金調達

決算は資金繰りを検討する基礎的なデータとなります。資金が必要になり融資を受ける際、直近の経営状況の開示が必要です。

決算早期化を行うことで、常に最新の状況を把握できるほか、決められたプロセスに沿って必要な資料を提出するまでの効率を高められます。



決算早期化を阻害する要因

決算早期化の重要性を理解していても、なかなか実行できない場合もあるのではないでしょうか。決算早期化を阻害する要因はさまざまですが、例として以下が挙げられます。

  • 勘定科目の残高確定に時間を要する
  • 月末月初に業務が分散できずに決算作業が滞る
  • アナログな業務により時間がかかる

また、子会社や複数の拠点がある場合は連結決算が行われますが、その場合には決以下のような決算早期化の阻害要因があります。

  • 各子会社や各拠点で会計システムや勘定科目体系が異なり、マッピングに時間がかかる
  • 会計方針が子会社・拠点によって異なる

決算早期化を実現するには、こうした一つひとつの要因をクリアすることが重要になります。



決算早期化の4つのポイント

ここからは、決算早期化のために必要な4つのポイントを解説します。


①締め日の前倒し

決算早期化は経理だけではなく各部署でルールを統一することが重要です。

請求書や納品書など書類提出の締め日を前倒しして設定し、取引先や従業員に徹底させます。定められた日時までに決算を行うためには、関係者の締めの処理が最終日には完了している必要があります。

また、ルールを一方的に押しつけるのでなく、締めの処理が容易にできるような環境整備の構築も必要です。


②書類の電子化

従来の方法では請求書や領収書などはすべて紙面で保管することが一般的でした。

紙面で行う管理業務は、契約書や領収書などの書類整理に手間がかかります。書類を電子化することで、各データの整理ややり取りが容易になるほか、クラウドを活用することで遠隔地からでも確認が可能です。

なお、2021年度税制改正において電子帳簿保存法(※)が改正されました。2022年4月1日以降の書類の電子化については、国税庁が示す改正内容を確認しながら電子化を進めましょう。

※一定の要件を満たす場合に限り国税関係帳簿書類を電子データで保存することを認めた法律

出典:国税庁『電子帳簿保存法が改正されました


③業務プロセス・マニュアルの整備

決算業務で実施する内容は企業によって異なりますが、定型化できる内容がほとんどです。

業務プロセスやマニュアルがあれば、会計業務の経験が浅い従業員でも業務をスムーズに進められます。

例えば、「経費精算は○日の○時までに申請」と決めておくことで、決算時に計上する勘定の線引きを行いやすくなります。


④システムの導入

システムを導入することも決算早期化を実現するポイントの一つです。経費精算を自動化したり、各種業務システムと連携させたりすることで、業務効率化が実現します。

なお、各部門で異なるシステムを利用している場合、システム間のデータのやり取りやデータ加工に手間が発生してしまいます。単一のシステムでデータを取り扱うことができれば、データのやり取りが不要になり業務の重複や人的ミスの削減が可能です。



まとめ

今回は決算早期化の目的や阻害要因、決算早期化のポイントについて解説しました。

決算早期化を行うことで経営判断の迅速化や売り上げ・利益の早期予測、資金調達の効率化などが期待できます。

しかし、決算業務には確認業務が多く、それぞれの業務に時間を要します。決算早期化においては、締め日を守るといった基本的なことのほか、電子化や業務プロセスの整備、システムの導入などもポイントです。阻害要因を一つひとつクリアし、決算早期化を実現しましょう。


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