基幹システム(ERP)を利用したテレワーク業務の効率化
ニューノーマルな働き方として、さまざまな企業が導入しているテレワーク。
テレワーク自体は、かねてから普及が推進されていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに導入企業が増加しました。
内閣府が行ったインターネット調査『第3回 新型コロナウイルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査 令和』では、2019年における全国のテレワーク実施率は10.3%という結果でしたが、2021年4~5月には30.8%に増加、約3倍となっています。
テレワークを導入したケースの多くはテレワークに効果を感じており、82.7%の人が「今後もテレワークを実施したい」と回答しています。しかし、導入を中止したという人の割合も40.5%と半数近くにのぼっていることも事実。企業の状況によっては異なるものの、何らかの課題があることが推察されます。
本記事では、テレワークで生じた課題、さらに、テレワークで行う業務を効率化する方法を紹介します。
出典:内閣府『第3回 新型コロナウイルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査 令和』
目次[非表示]
- 1.テレワーク導入で生じた課題
- 1.1.①コミュニケーションが不足する
- 1.2.②進捗が見えにくくなる
- 1.3.③人事・労務管理が難しくなる
- 1.4.④生産性が下がる
- 2.基幹システム(ERP)の導入でテレワーク業務を効率化
- 2.1.財務・会計管理
- 2.2.カスタマーリレーションシップマネジメント
- 2.3.人事管理
- 2.4.プロジェクト管理
- 2.5.調達・購買管理
- 2.6.サプライチェーン管理
- 3.まとめ
テレワーク導入で生じた課題
テレワークは、パソコンの画面を通じたやり取りが中心となる働き方ですが、それにより以下のような課題が浮き彫りになっています。
①コミュニケーションが不足する
自宅やカフェで業務を行うテレワークは、気軽に話しかける機会が損なわれ、コミュニケーションが不足しやすくなります。
上司・同僚・部下とコミュニケーションが取りづらい状態が続けばチームワークの低下を助長します。さらに、コミュニケーション不足が生産性の低下につながり、ひいては組織力の低下につながる恐れもあります。
②進捗が見えにくくなる
チームでプロジェクトを進めている場合でも、それぞれが別の場所で業務を行います。「だれが・何を・どこまで」進めているのかは、各自の報告頼りになりがちです。
リアルタイムで進捗を把握しにくくなり、プロジェクトがどこまで進んでいるのかなどが分かりにくくなります。
③人事・労務管理が難しくなる
画面越しになると実際の働く姿を見られません。業務の開始や終了などの状況も個人の報告に依存するため、正確に把握しにくいという課題もあります。
④生産性が下がる
出社しなければ活用できない業務体制の場合、生産性が低下する恐れがあります。
社内ネットワークのみで活用するオンプレミス型のシステム活用をしている場合やシステムのデータ連携ができていない場合などでは、システムを使うために出社する必要が出てきます。
また、経費精算や稟議、押印などのためだけに出社するケースも見られます。ワークフローが滞り、ほかの業務に影響する可能性もあります。
基幹システム(ERP)の導入でテレワーク業務を効率化
テレワーク業務では、モノやデータ、人の動きが見えず、業務の流れや同じ部署、チームメンバーの進捗を確認しづらいといった悩みに直面しやすいです。
これらの悩みを解消し、さらに、テレワーク業務を効率化するには、基幹システムの導入が有効です。
SAP社が展開する『SAP® Business ByDesign®』は、複数の機能を搭載したクラウド型の統合基幹業務システムです。テレワーク業務を効率化するさまざまな機能を搭載しています。
財務・会計管理
SAP® Business ByDesign®は財務会計・管理会計・キャッシュフロー管理が可能です。
▼財務・会計管理の機能
- 財務と管理会計
- キャッシュフロー管理
財務・会計管理機能では、基幹業務の機能と財務・会計管理機能を統合することで、最新の財務の状態を把握できます。
また、キャッシュフローを追跡・最適化して、債権・債務・支払いおよび流動性を管理できるようサポートします。自動化によって債権回収を迅速化し、データを活用してリアルタイムのキャッシュポジションを可視化します。
カスタマーリレーションシップマネジメント
SAP® Business ByDesign®には、マーケティング・顧客管理/活動管理・サービス機能が搭載されています。
▼カスタマーリレーションシップマネジメントの機能
- マーケティング
- 顧客管理/活動管理
- サービス
カスタマーリレーションシップマネジメント機能では、顧客との間で発生する営業行為や取引などを管理できます。
セールス業務を自動化して、担当者のやり取りから請求までの顧客管理を改善。見込み顧客とその顧客情報を追跡でき、活動に必要な情報にいつでもアクセスすることも可能です。
また、顧客情報が完全に統一されるため、だれが対応しても整合性のある対応を実施できます。
人事管理
SAP® Business ByDesign®では、人事管理も可能です。
▼人事管理の機能
- 組織管理
- 従業員管理
- 勤怠管理
- 従業員セルフサービス
人事管理機能 では、人事プロセスと、勤怠管理、経費管理との統合をサポート、複数の人事プロセスを合理化・効率化します。
従業員が必要に応じて自身の人事管理データを利用することも可能です。複数のシステム・データを統合しているため、データ収集・分析・処理を迅速化できます。
プロジェクト管理
SAP® Business ByDesign®はプロジェクト管理にも役立ちます。
▼ プロジェクト管理の機能
- プロジェクト計画・実行・管理
- チームコラボレーション
- モニタリング
プロジェクト管理機能では、規模や複雑さにかかわらず、あらゆるプロジェクトを管理できます。
業務領域と財務領域に密接に統合されているため、効率がよく透明性が高いプロジェクト管理が可能です。
また、プロジェクトの管理や実施、モニタリングはリアルタイムで行えます。複数のチャネルを使用したタイムリーな通信が可能なため、プロジェクトのコラボレーションの効率化も可能です。
調達・購買管理
SAP® Business ByDesign®は調達・購買管理も容易にします。
▼調達・購買管理機能
- 仕入れ先選定
- 購買管理
- 請求管理
調達・購買管理機能では、従業員自身が調達・購買処理をセルフサービスで行えます。仕入れ先や製品に関する情報が一元化されているため、仕入れ先契約の管理も効率的に行えます。
また、SAP Business ByDesignは、財務・会計管理、プロジェクト管理、サプライチェーンマネジメントなどの基幹業務と調達・購買管理機の統合がサポートされています。だれもが購買管理に関連する適切な情報を利用して追跡でき、購買に関わるタスクを削減します。
サプライチェーン管理
SAP® Business ByDesign®はサプライチェーンの管理にも適しています。
▼サプライチェーン管理の機能
- 調達計画・管理
- 製造・倉庫管理
- ロジスティクス
サプライチェーン管理は、顧客や仕入れ先とのコラボレーションを合理化して柔軟性を向上させます。調達計画・管理では、需要予測といった自動化された作業とマニュアル計画を組み合わせることも可能です。
需給バランスを改善して有効性を高めることで、市場の変化にいち早く対応できます。生産体制・生産管理を改善し関連プロセスの自動化を実現します。
まとめ
テレワークは、出社して対面で仕事をするというこれまでの働き方になかった課題を明らかにしました。
現代の働き方として、すでに多くの企業に浸透していますが、テレワークを中止したというケースも見られます。テレワーク業務を効率化するには、複数の基幹システム・業務システムを統合したクラウド型基幹システム(ERP)の活用が有効です。クラウド型のシステムを使用することで、テレワークにおいても、顧客管理、販売管理、購買管理、管理会計など、各業務で扱うデータをリアルタイムで一元管理できます。
『SAP® Business ByDesign®』は、複数の業務システムの機能が統合されているため、社内を横断したデータ連携が可能です。業務効率が向上し、テレワーク推進にも役立ちます。
SCSK MinoriソリューションズはSAP® Business ByDesign®の導入を支援しています。短期間での導入も可能です。ぜひ一度ご相談ください。