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基幹システム『SAP ERP』の特徴と代表的な6製品を徹底解説!

世界中のさまざまな企業で導入されている『SAP』社の製品。SAP ERPは、企業の基幹業務を支える、経営に欠かせない基幹システムです。本記事では、SAP ERPの特徴と代表的な5製品について紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.SAP ERPとは
  2. 2.代表的なSAP ERPの3製品
    1. 2.1. SAP S/4 HANA
    2. 2.2.SAP Business ByDesign
    3. 2.3.SAP Business One
  3. 3.SAP ERPとの組み合わせが可能な3製品
    1. 3.1.SAP Concur
    2. 3.2.SAP Business Technology platform
    3. 3.3.SAP Analytics Cloud
  4. 4.まとめ



SAP ERPとは

基幹システムは多数のベンダーが提供していますが、定番といえばSAPです。SAPは、ヨーロッパ最大級のソフトウェア会社SAP社(Systemanalyse und Programmentwicklung)の企業名でもあり、SAP社が提供するソフトウェアやサービスの総称でもあります。

そのなかでも、SAP社が提供する基幹システムのことを『SAP ERP』と称されています。

ERP(Enterprise Resource Planning)には、“企業資金計画”という意味があり、経営の効率化を実現するための概念を指します。会社で個別に機能していたシステムを1つのシステムに統合するという考え方です。

ERPの強みは、社内に分散しているヒト・モノ・カネといった経営資源の情報を統合し、部署間のシームレスなデータ連携を実現できるという点。部署単位・業務単位に点在していたデータが統一された仕様でデータベースにまとめられるため、伝票情報の一元化をも可能にします。

また、さまざまな業務で発生するデータをリアルタイムに集約・把握できるため、経営戦略などの意思決定ができるとして、業種問わず多くの企業に活用されています。



代表的なSAP ERPの3製品

SAP ERPはさまざまな種類があるため、目的に応じて選ぶことが肝要です。

ここでは、代表的な2つのSAP ERPとその特徴について紹介します。


 SAP S/4 HANA

『SAP S/4 HANA』は、SAP社のインメモリデータベース“SAP HANA”をプラットフォームとして利用している第4世代の基幹システムです。超高速なデータ処理に加えて、分析・レポーティングもすべて同じ基盤で対応できるのが特徴です。高い処理速度の実現によって、システムのタイムラグがなくなるほか、スピーディーな経営判断につながります。


SAP Business ByDesign

SAP Business ByDesign』は、主に中堅企業や海外拠点での利用に向けたクラウド型の基幹システムです。SaaS型での提供のため設備投資のコストを抑えつつ、基幹システムとしての必要機能を網羅しているのが特徴です。

バックオフィス業務に加え、財務・人事・販売などの全39の業務シナリオを搭載しているため、要件定義のフェーズで発生する時間やコストの削減が可能です。それぞれの業務領域において必要な機能を、必要に応じて柔軟かつ即座に利用できます。


SAP Business One

『SAP Business One』は、中小企業向けのビジネスマネージメントソフトウェアです。企業の成長に合わせて拡張できるソフトウェアにより、企業のビジネス管理能力を強化できるのが特徴です。

財務会計・顧客管理・販売管理など、主要プロセスの合理化やリアルタイム情報に基づいた意思決定によって、収益性の高い成長を推進できます。



SAP ERPとの組み合わせが可能な3製品

かつて、基幹システムの導入時は自社独自の業務プロセスに合わせてカスタマイズすることが主流でした。しかしながら、その結果、複雑化やブラックボックス化を招く要因となっているというケースも珍しくありません。

近年では、基幹システムに不足している部分を追加開発して補うのではなく、既存のサービスと組み合わせるという考え方が広がっています。例えば、以下のような組み合わせパターンがあります。

  • SAP Business ByDesignとSAP Concurの組み合わせ:
    あらゆる仕訳パターンに対応できるようになり、複雑な経理業務にも柔軟な処理が可能になります。
  • SAP Business ByDesignとSAP AnalyticsCloudの組み合わせ:
    統合されたデータを用いて、精緻な分析を行えます。
  • SAP Business ByDesignとSAP Business Technology Platformの組み合わせ:
    他システムとのインターフェース連携で用いられます。

基幹システムを長期的に運用していくためにも、環境に合わせて必要なサービスと組み合わせるといった柔軟な対応が求められます。


SAP Concur

『SAP Concur』は、企業の経費・出張管理に特化したクラウド型システムです。さまざまなデバイスからクラウドサービスにアクセスすることで、経費申請や決済、支払といった工程を自動化できるのが特徴です。紙ベースの領収書の受け渡しや手入力の労力を削減できるため、経費管理の効率化を図れます。

また、電子領収書への対応はもちろん、紙の領収書をカメラ撮影して自動でデータ登録することも可能です。ペーパーレス化により、保管業務の負荷・コスト削減にもつながります。


SAP Business Technology platform

『SAP Business Technology platform』は、SAPをはじめとしたさまざまなソリューションを横断してアプリケーションやデータの統合、拡張などを実現するPaaS型のクラウドサービスです。

短期間での導入が可能なうえ、アプリケーションの開発から実行までをクラウド上で実現できます。そのほか、機械学習に関するサービスを活用して業務のイノベーションを促進することも可能です。


SAP Analytics Cloud

『SAP Analytics Cloud』は、企業が保有するさまざまなデータを見える化・分析できるクラウド型BIソリューションです。AIによる分析・機械学習機能により、顧客行動や売り上げ予測などといったあらゆる分析を行えるのが特徴です。

企業内に点在するあらゆるデータを収集・分析することにより、財務計画や経営の意思決定に役立てられます。



まとめ

SAP ERPとは、SAP社が提供している基幹システムの総称です。基幹システムは、企業の経済活動をより合理的かつ効果的に進めることができるため、人手不足に悩まされる中小企業にとっても不可欠といえます。

特に、SAP ERPは1つのシステムで財務・販売・在庫の管理などをトータルでカバーして業務効率化を図れるため、初めて基幹システムを導入する企業にも適しています。複数のシステムを組み合わせて使用することで、社内のDX促進に役立てることも可能です。

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