catch-img

基幹システムとは?ERPと業務システムの違い

デジタル技術の発展によってIT化やデータ活用が進むなか、企業経営にシステムの活用が欠かせなくなりました。

企業活動で活用するシステムといえば、“基幹システム(ERP)”や“業務システム”などを耳にすることが多いのではないでしょうか。いずれも、業務の円滑化や効率化に有効なシステムですが、実はそれぞれに違いがあります。

本記事では、基幹システムと業務システムの概要をはじめ、主なシステムの種類、両者の違いについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.基幹システムとは
  2. 2.業務システムとは
  3. 3.基幹システムと業務システムの違い
  4. 4.ポイントは部分最適か全体最適か
  5. 5.まとめ


基幹システムとは

基幹システムとは、企業が保有するヒト・モノ・カネといった経営資源を一元管理するシステムです。企業活動における主要業務を管理し、安定かつ円滑に業務を遂行するために欠かせないシステムといえます。

この基幹システムには、主に2つの種類があります。


▼基幹システムの種類

  • 財務・人事・販売など、個別に専用化されたシステム
  • 統合されたパッケージで一括管理が可能な基幹システム

従来は、財務・人事・販売など、基幹業務ごとに専用化されたシステムを自社独自にカスタマイズして利用するのが一般的でした。しかし、古い基幹システムや社内独自仕様に開発された基幹システムの場合、周辺システムとの接続が難しく、情報が分断されてしまうといった課題があります。

また、老朽化が進むことで「最新のセキュリティ対策に対応できない」「近年の効率化されたインターフェースと比較して運用保守にコストを要する」といった課題も見受けられます。

こうした課題を解消するのが、環境変化に柔軟に対応しやすい基幹システムです。基幹システムは、財務・人事・販売などのさまざまな業務機能が統合されており、部署ごとに点在していたデータを横断して活用できるようになります。

また、その強みは、昨今提唱されているDX(Digital Transformation:デジタル・トランスフォーメーション)や内部統制などの取組みを進める際に欠かせない存在であるともいわれています。


業務システムとは

業務システムとは、各企業で固有に行われている業務に対して、スムーズな遂行をサポートするシステムのことです。基幹システム以外のシステムを指すことが一般的です。

業務ごとに部署が分けられるように、業務システムにも業務によってさまざまな種類があります。代表的な業務システムには、以下が挙げられます。


▼代表的な業務システム例

■営業支援システム

顧客の基本情報や案件の進捗などを管理し、商談前から受注までのやり取りを支援するシステムです。

■顧客管理システム

顧客の名前・住所・電話番号・メールアドレスなどの基本情報をはじめ、製品・サービスの購入から購入後までのフェーズを管理するシステムです。

■勤怠管理システム

従業員の出勤・退勤・残業・休暇の取得状況など管理し、従業員の勤怠管理を適正化するシステムです。

■配送管理システム

商品の配送状況・配車・ルート・配送コストなどを管理し、物流管理を効率化するシステムです。



基幹システムと業務システムの違い

基幹システムと業務システムの主な違いは、「業務遂行のために不可欠かどうか」という点です。

企業運営の根幹を担う基幹システムは、継続的な企業活動のために欠かせません。システムが停止した場合には、業務遂行が滞ってしまい、経営に影響を及ぼしてしまいます。

一方、さまざまな業務をサポートする業務システムは、あくまで「業務遂行のために役立つ」という位置づけといえます。万が一システムが停止した場合でも、手動や紙媒体などで代替することが可能です。


▼両者の主な相違点


基幹システム
業務システム
対象業務
基幹業務
通常業務
システムの種類
  • 生産管理
  • 購買管理
  • 在庫管理
  • 人事・給与管理
  • 財務・会計管理等
  • 営業支援
  • 顧客管理
  • 勤怠管理
  • 配送管理等
障害発生時の業務への影響
影響あり
代わりの方法で対応可能


ポイントは部分最適か全体最適か

基幹システムと業務システムの違いを解説しましたが、大きくまとめると目的が部分最適なのか全体最適なのかで区別することも可能です。

部分最適は、業務に特化した効率化、費用の抑制を実現することが可能です。一方の全体最適は、全社の業務効率化や経営情報の可視化を実現することが可能です。

基幹システムと業務システムは、それぞれ実現できる内容が異なるため、目的に合わせて選択することが大切です。


▼基幹システムと業務システムを統合したERP『SAP Business ByDesign

クラウド型ERPシステム『SAP Business ByDesign』は、基幹システムと業務システムを統合した中堅企業向けSaaS型クラウドERPソリューションです。SCSK Minoriソリューションズでは、提案から保守サポートまですべての過程でサポートを行っています。基幹システムを検討されている方は、ぜひご相談ください。


まとめ

企業活動で活用されるシステムには、基幹システム・業務システムの大きく2つに分けられます。

その違いは、システムの停止が発生した場合に、代わりのツールや手作業などで対応できるかどうかです。基幹システムはシステム停止の影響を受けますが、業務システムは別の手段を検討できます。

また、企業の基幹業務を一元管理する基幹システムは、財務会計・人事労務・販売管理など多岐にわたる種類があります。複数のシステムを一元化して活用するなら、全体最適化を実現できる基幹システムの活用も有効です。

ページトップへ

SAP、SAPロゴ、記載されているすべてのSAP製品およびサービス名はドイツにあるSAP SEやその他世界各国における登録商標または商標です。またその他記載された会社名およびロゴ、製品名などは該当する各社の登録商標または商標です。